ノート

京都に住む大学生がうんうん唸りながら好き勝手に書いた文章をすっきり流すトイレのような場所です

「(500)日のサマー」を観た

4月26日の深夜に「(500)日のサマー」を観た。以下ネタバレ

 

恋人というラベルをつけた関係を望まないサマーと、サマーを運命の相手だと信じるトムとの500日間の話で、その認識のズレを問うものだった。正直、自分の恋愛が思い出されてしんどくなりつつ観ていた。フィクションだけどきれいにコーティングされたものじゃなくてちょっと手触りがあるような、そういうリアルな気持ちを思い起こされた。

×日目、×日目…ところころと時計が進んだり巻き戻されたりして、トムの気持ちの浮き沈みもそれはもうころころ行ったり来たりするので色々な気持ちになった。サマーを好きになったとき、いちゃいちゃしたあと、とかはもう周りのもの全部がバラ色に見えて、そうでなくなったら周囲の景色もそうでなくなる。レ・ミゼラブルのOn My Ownの歌詞の「He's gone and rivers just a river …」とかの部分と同じだと思う。

イケアで夫婦ごっこするデートめちゃくちゃ楽しそうだ。家具を買う気がない大学生とかが何人かで連れ立ってイケアに行くというのがよくわからなかったけどああいうふうにしたら楽しいんだな。ピクニックで、いわゆるモッツァレラチーズ方式?で男性器の名前を言い合うのは笑ってしまった。心底楽しそうだった。サマーを見るトムの目は終始、恋に落ちている人がその相手を見るときのものだったと思う。こう書いて思ったがやはり私は運命やら恋に落ちるやらを信じているみたいだ。

映画の中で流れる色々な曲への知識が私にもう少しあったらもっと面白いのかもしれないと思った。ザ・スミスってどういうバンドなんだろう。

それから「モテキ」の中でハッピーな気持ちになった主人公が街中のフラッシュモブと一緒に踊るシーンはこれへのオマージュだったんだな、観ていてすぐにモテキを思い出した。今ウィキペディアを見たらマーク・ウェブ監督はミュージックビデオを多く手がけてきた人らしい((500)日のサマー - Wikipedia)。

 

題材は恋愛だけどずっとどことなく風通しがよかった。それは音楽とかシーン割とか時系列をシャッフルさせるとか、もろもろの演出のうまさなんだろうな。

今まで観た中で5本の指に入る、とまではいかないけど好きな映画だった。忘れた頃にもう一度くらい観たいなと思った。